COLUMN

コラム

「プロセスインキ」と「特色インキ」

オフセット印刷に使用するインキには、大きく分けてプロセスインキ(カラー印刷)と特色インキがあります。

プロセスインキとは

プロセスインキとは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインキのことです。
このインキを4色印刷機の各ユニットごとにセットしてフルカラー印刷を行います。これをプロセス印刷と呼びます。
網点によって濃淡をつけられたこの4色のインキの組み合わせによって、さまざまな色を表現します。

特色インキとは

一方、特色インキは、印刷したい色そのものになるようにインキを調合し、印刷機にセットします(特色印刷)。
プロセスカラーで表現できる色域を越える色の印刷が可能なうえ、プロセスカラーでは表現できない金や銀、蛍光色といった色も作りだすことができます。
DICカラーやPANTONEカラーなど、インキ会社が発行している色見本帳を使用して、特色インキの色指定を行うことが一般的となっています。

特色印刷のデータ作成方法について

特色インキで印刷したい部分を、イラストレータのデータ上でプロセスカラーのシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のいずれか一つにあてはめて作成したうえで、「シアン(C)をこの色(特色の色を指定)で、マゼンタ(M)をこの色(特色の色指定)で」などと指示していただだく方法、もしくは、DICカラーやPANTONEカラーの色番号で指定できる場合は、あらかじめイラストレーターの機能に用意されているスウォッチや、ご自身で作成されたスウォッチ(色番号がわかる名前にしてください)を使用してデータを作成していただく方法があります。
また、スウォッチを使用すれば、“特色+プロセスカラー”の印刷データも、一つのファイル内で作成することができます。
スウォッチを使用して特色指定される際は、そのスウォッチのカラータイプ設定が“特色”になっていることや、同じ特色で刷りたい部分がすべて同じスウォッチで色指定できているかなどをしっかりと確認してください。
いずれの場合も、イラストレーターの“分版プレビュー”パレットを利用することで、しっかりと特色部分の確認を行うことができるでしょう。

ここから余談です。
昔の話になるのですが、私の友人でお店をやっている夫婦がいまして、新聞折込にお店のチラシを入れることになりました。
新聞折込の予約をし、印刷は特色の2色印刷で決まり、データは自分たちで作成。印刷物が家に届いてみたら、なんとお店の名前と地図だけが印刷されてなかったそうです。
私はその話を聞いて、すぐに原因がわかりました。
作成したデータのうち、店名と地図だけが、指定したスウォッチ以外(プロセスカラー)で作られていたので、印刷に反映されなかったのです。
その後再印刷する時間もなく、新聞折込もキャンセルできず、お金だけが出て行く、といったお話でした。
よくあることですので、みなさまも入稿データを作成する際は十分にお気を付けください。

特色印刷に限らず、入稿データのことならお気軽にわたくしにご相談ください。