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刷版プレートの無処理化でのメリット・デメリット

刷版プレートの無処理化により品質の安定に繋がっています。
オフセット印刷には、刷版プレートが必ず必要です。以前の有処理プレートは、現像処理が必要のため気温の変化や環境の違いによって網点の再現が若干変動することがあります。無処理プレートは、現像処理の必要がないため網点の再現が変動することがないので、網点による色のブレを抑えることが出来ます。同じ絵柄を同じ色で安定して印刷ができるようになりました。
無処理のプレートには、版面に薄い膜が貼られているため版にキズが入りにくいため、版キズによる不良が出ることもなくなりました。
無処理の版のデメリットは、版面での絵柄などが非常に薄く見づらいため、チェックがやりにくいところです。そのため当社では版を出す前に、版面を大型インクジェットプリンターで出力をしチェックを行っています。
お客様からの高い品質を求められている中、無処理のプレートは重要なメリットになっています。

そのほかにも環境負荷低減に貢献しています。
現像処理の工程がなくなり、現像機での処理に使われていた現像液・ガムの廃液だけでなく、自動現像機の洗浄廃液もゼロになる完全な廃液レスにより、環境負荷低減に大きく貢献しています。
あるメーカーさんに聞いたところ、現在、印刷業界で刷版プレート出荷量に占める無処理プレートの比率は20%位ですが、2023年度に50%以上になるよう、印刷業界の刷版プレートの無処理化を目指しているそうです。おそらくこれからは、どんどん無処理プレートが使用されていくのでしょう。
印刷物を製造していく上で品質向上はもちろんのこと、環境のことも考えメーカーさんと協力して取り組んでいきたいと思います。