思わずジャケ買いしてしまう!!
レコードのデザインを観察してみる①
皆さんこんにちは!
今回はデザイナー歴1.5年の新人デザイナーの私が、
「デザイン初心者でも、デザインがちょっと好きになれるコラム」を目指して身近にあるデザインを観察していきます!
現場のベテランデザイナーにも話を聞き、勉強しながら続けられればと思っていますのでお気軽にお楽しみください!
さて、記念すべき1回目のテーマは
思わずジャケ買いしてしまう!レコードのデザインを観察してみる。です!
近年レコードブームの再来が謳われ、再注目されるアナログレコード。
オシャレな喫茶店とかに飾ってありますよね。
そんなジャケットデザインの中でも特に
ジャズのジャケットデザインがとても素敵だなと思ったのでちょっと掘り下げてみたいと思います!
目次
どんなデザイナーが作っているのか。
ここが凄い!デザインのポイント!!
【ポイント1】はっとさせられた構図
【ポイント2】劇的な文字の組み方
【ポイント3】“奥行き”のだしかた
おわりに
はたしてどんなデザイナーが作っているのか。
まずは、数多くのジャズのジャッケットデザインを残した伝説のデザイナーをご紹介…
このかっこいいデザインを手がけたのは、リードマイルスというデザイナーで、
彼は1950年代-1960年代にブルーノートレーベルで活躍し、生涯に400点以上も作品を残しました。
現代にジャズの「渋くてカッコ良い」のイメージを浸透させたデザイナーと言っても過言ではないと思っています!
洗練されていながらチャーミングな遊び心のあるデザインで
要素が少なくてもこんなに心を動かすビジュアルが作れるのか。と思わされます。
時代に左右されない素晴らしいデザインですよね!
(白黒写真を撮影しているフランシスウルフについてはまたの機会に!)
ここが凄い!デザインのポイント!!
では具体的にこの「カッコ良い」を作っている要素はなんなのか。分析していきたいと思います!
【ポイント1】はっとさせられた構図!!
っ!!なんたるバランス感っ!!
リードマイルスのデザインの特徴は、余白を大きくとった独特な構図!
ここまで大胆に余白を持たせるのはすごく難しく、実際にやってみるとなんか違う、、、となってしまうんですよね。。。
一見簡単に見えますがすごく難しいのです。
ちなみに私のような凡人はこうなります。。。
被写体と文字を対角線上でバランスを取ろうと思っても……なんか違う。
もういっそのこと、余白なくすか……?ってなります笑
余白を扱うってすごく難しい……。
【センパイに聞いてみた!】
これは感覚的にやってるのではなく、ちゃんと狙ってやってると思う。この大胆な余白の使い方なんやけど、『余白』って「何もしない」ってことではないねん。
余白にはものすごくいろんな意味があるけど、この場合は見る側に想像させる余地を与えていて、四角いジャケットの枠に止まらない世界を想像させる効果を生んでる。
人って想像する力があるからそこをうまーく利用してるいい例やね。ここらへん狙ってやれると随分とデザインはおもしろくなってくる。時代に関係なくいいデザインは、すごーく勉強になるね。
【ポイント2】なぜそうなった!?劇的な文字の組み方
余白だけでなく、文字の組み方も特徴的です。
改行や文字の組み合わせで、文字をオブジェクト化していますね。
アウトラインを取ってみると組み方が独特なのがよくわかります。
また、配置は被写体や辺に隣接しているものが多い印象です!
【センパイに聞いてみた!】
なるほど!簡単にやってるようやけど、ここにも実は色々なポイントが詰まってます。具体的には、次の3つがポイントかな。
1.人は人の顔に注目する。人って顔があると必ず見てしまうもんなんです。そして顔の中でも、特に目に注目してしまう。その特性を利用して目線の先に文字を置いたり、顔の近くに見てもらいたい要素を置いたりすることで目線の誘導なんてことが実はよく行われてるんです。
2.少ない要素は一箇所に固めるべし!デザインする要素や情報が少ないときは、散らすのではなく固めるのがいいねん。どうしても、余白があると少ない要素を散らして埋めようしちゃうけど、かえってスカスカ感が増してしまいうまくいきません。一箇所に固めると情報も分散せず伝わりやすくスカスカ感も解消できちゃいます。
3.文字を文字と捉えるか絵と捉えるか。この点はちょっと難しい(?)話やねんけど——まず日本語と英語(外国語)では、基本的な違いを認識する必要があるね。英語は、26個のアルファベットからできていて直線と曲線で構成されるからシンプルで図形的。それに対して日本語はひらがな、カタカナ、漢字とちょっと複雑。漢字は、文字自体に意味が含まれているからうっかり変な扱いをすると意味がおかしくなったりしちゃいます。英語のデザインがカッコイイ!!と感じるのは、この言語的な特性から統一感がでて、ビジュアル的に見えるっていうのが大きいよね。だからといって日本語がダメなのではなく、どう表現するか!!はデザイナーの腕の見せ所やけどね。
【ポイント3】目から鱗!“奥行き”のだしかた
赤線部分の線や配置が奥行きを生み、
ビジュアルを印象的なものにしているようです。
ビジュアルの主役になることはありませんが、空間を感じさせる重要な要素であると言えます。
【センパイに聞いてみた!】
一瞬なんだろう?と思わせる「切り取り」がおもしろいよね。
余白をたっぷり取って続いていく空間を感じさせたり、ぱっと見何かわからない意表をつくトリミング。
なんだかよくわからないけど、よく見ればわかる絶妙な匙加減がおもしろさにつながってます!!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
上記であげたこと以外でもさまざまな趣向が凝らされており、白黒写真や色の割合、画像のトリミング、印刷方法などなど、まだまだ掘り下げたいところはたくさんあるなーと思いました!!
分解してみてわかったのは、本当に要素が少なくて、画像、文字、余白、色、空間という基本の要素に磨き抜かれた抜群のセンスを感じるということ……。
一朝一夕にはいきませんが、これから身近にある素晴らしいデザインの分析を習慣にしていきたいと思いました!
最後までご覧いただきありがとうございました!
少しでも、デザインや、ジャズに興味を持っていただければ嬉しいなと思います!
それではまた次のコラムでお会いしましょう!