COLUMN

コラム

アナログ製版とデジタル製版 前編

アナログ製版と言われるフィルム印刷とは

印刷工程において、特殊なカメラで撮影し、版下に指示された処理を行い、校正を完了した製版フィルムを作り上げることです。

カラーには、4色の赤・青・黄・黒の4枚の製版フィルムが必要になります。

2色刷りには、特色2色・2枚の製版フィルムを使います

1色刷りには、特色1色・1枚の製版フィルムを使います

40年程前、印刷用のコンピュータもソフトも無い時代

デザイナーがラフデザインを作成し、写植会社が版下を作成し、デザイナーの指示を記したトレッシングペーパーを上に貼ったものを作製版会社に渡し、版下を専用カメラで撮影しフィルムを作ります。

写真はカメラマンが専用のカメラで撮影し、現像されたポジフィルムを指定サイズごとに、スキャニング(色分解)し、製版(レタッチ)を行っていきます。

出来たフィルムをそれぞれの版ごとにPS版に焼き付け(露光)を行い、出来たPS版を印刷機につけ印刷が行われていました。

●版下:厚手の白いケント紙に、仕上がり寸法・製版寸法・とトンボを記し、レイアウトされた写植や写真(白黒コピー)を剥がすことの出来る糊で貼り付けたもののこと

●PS版:(Presensitized Plate)というアルミ板である。オフセット印刷に使用される、印刷機に直接取り付けて使われる印刷用の板のこと

●PS版に焼き付けることを刷版と言います

レタッチを詳しく

  1. 感光フィルムを使い、版下を撮影したフィルムのネガフィルムを作成します。

この時印刷ズレ防止のため、自社で用意した細い十字のトンボを切り貼りする。

感光しない色テープを使い、文字の色わけを行い、赤色・青色・黄色・黒色のフィルムを作成します。

●色分けには指定の色になる様に透明のフィルムに黒いアミ点が印刷されたフィルムを使う(例)赤30→フィルム70%印刷されたフィルムを使います。

●写真はカメラマンが版下と同じように特殊カメラで撮影しフィルムにします。その時、印刷物が4色カラー(赤・青・黄・黒)指示通りに色分解(スキャニング)されています。

●フィルム状の人や品物の写真を指定されたレイアウトになるように、透明のフィルムに貼り付けます。光を通さない薄いオレンジフィルムが貼り付いたフィルムを上に重ねます。カッターナイフで輪郭を切り、オレンジフィルムをめくり、写真の使用したい部分だけを光を通します。

●文字、写真をそれぞれ赤・黄・青・黒に色分解された4枚の(または2色や1色)のフィルムになるようにフィルムを感光機にかけていきます。文字や写真の背景や色や写真を入れる場合は人や、背景を感光させるさいに人や物・文字の型を感光させ黒ベタの人・物・文字を間に挟みました。

補正と修正

写真の補正は、再分解をするか写真フィルムを補正したい部分だけを残し、ステージングニスで塗り、減力液を使用して、アミ点を減らすなどして、色補正をしていました。

文字修正も、数カ所程度の文字直しは、修正後の写植文字のみを撮影し部分のみを、元フィルムの直したい部分を削りとり、修正後の文字がプリントされた薄いストリップフイルムを専用の糊で貼っていました。

※感光機と感光した部分は、黒、その他は透明になるフィルムを使用していました